iDeCoはやるべき?入社時にスルーした私が今あらためて考えていること
入社した時、会社の説明会でiDeCo(個人型確定拠出年金)を紹介されました。
「老後のために自分で積み立てる年金制度です」と説明を受けたものの、当時の私はこう思いました。
「60歳まで引き出せないお金に、今から毎月払うのか…」
結局、そのままスルーしました。
あれから数年。
「老後資金は2000万円、3000万円必要」と年金問題がニュースで頻繁に取り上げられるようになり、老後のことを考えるようになりました。
自分の資産額も増えてきました。
今、改めてiDeCoについて考え直しています。
この記事では、私がiDeCoをやらなかった理由と、今あらためて検討している理由を整理します。
これから社会人になる人にも、iDeCoを「やるべきかどうか」を考えるきっかけになればうれしいです。
iDeCoとは何か
iDeCo(イデコ)は、自分で掛金を出して運用する私的「年金」制度です。
正式名称は「個人型確定拠出年金」。
毎月一定額を積み立てて、投資信託や定期預金で運用し、60歳以降に受け取る仕組みです。
国の年金(厚生年金・国民年金)とは別に、自分で老後の資金を準備するための制度と考えるとわかりやすいです。
NISAと同じく運用益が非課税になりますが、iDeCoには掛金が所得控除になるというNISAにはない税制メリットがあります。
私がiDeCoをやらなかった理由
iDeCoの存在は入社時から知っていましたが、始めませんでした。
理由は大きく3つあります。
60歳まで引き出せないのがネックだった
iDeCoに入れたお金は、原則60歳まで引き出すことができません。
20代の自分にとって、60歳は遥か先の話でした。
ずっと独り身で60歳になる前に死んでしまったら、積み立てていたお金はパーです。
(実際には「死亡一時金」として遺族に支払われる仕組みがあります)
「もしまとまったお金が必要になったら?」「転職したら?」と考えると、数十年間ロックされるお金に毎月拠出する気にはなれませんでした。
会社に企業型確定拠出年金(企業型DC)があった
入社した会社には企業型DCがあり、会社が掛金を出して運用してくれる仕組みがすでに整っていました。
「老後の備えはこれで十分だろう」と思っていたので、iDeCoを追加でやる必要性を感じませんでした。
当時は年金問題がそこまで身近でなかった
今でこそ「老後2000万円問題」や年金受給額の引き下げがニュースで騒がれていますが、入社当時はそこまで危機感がありませんでした。
「年金は将来もらえるだろう」くらいの感覚で、老後資金について深く考えていなかったのが正直なところです。
iDeCoとNISAの違い
「iDeCoとNISA、どっちをやればいいの?」という疑問はよく見かけます。
ここでは、制度の性質の違いとして整理します。
| 項目 | iDeCo | 新NISA |
|---|---|---|
| 目的 | 老後資金の形成 | 資産形成全般 |
| 税制メリット | 掛金が全額所得控除 + 運用益非課税 | 運用益非課税 |
| 年間投資上限 | 14.4万〜81.6万円(職業による) | 360万円 |
| 生涯投資上限 | なし(60歳まで積立可能) | 1,800万円 |
| 引き出し | 原則60歳まで不可 | いつでも可能 |
| 口座管理手数料 | あり(年2,000〜7,000円程度) | なし |
| 受取時の課税 | 退職所得控除・公的年金等控除の対象 | 非課税 |
大きな違いは2つ。
① iDeCoは「掛金を払った時点で節税」になる
NISAは運用益が非課税になるだけですが、iDeCoは掛金が全額所得控除の対象です。
例えば年収500万円の会社員が月2万円をiDeCoに拠出すると、所得税・住民税を合わせて年間約4.8万円の節税になります。
投資の利益に関係なく、掛金を払うだけで節税効果がある。これはNISAにはない強みです。
ただし、掛金には職業ごとに上限があり、会社員の場合は月1.2万〜2.3万円程度です。
「全額所得控除」とは掛金の全額が控除対象になるという意味で、給与を丸ごと控除できるわけではありません。
② iDeCoは「60歳まで引き出せない」
NISAはいつでも売却して現金化できますが、iDeCoは原則60歳までロックされます。
この制約が大きな分かれ目で、若い世代にとってはデメリットに感じやすいポイントです。
状況が変わった:今iDeCoを再検討している理由
入社時にスルーしたiDeCoを、今あらためて検討しています。
きっかけは大きく2つあります。
老後資金について考えるようになった
少子高齢化が進む中で、将来の年金受給額が今より減る可能性は高いと感じるようになりました。
定年まで働き続ければ、資産も企業型DCも増えていくだろうけど、
そのお金で老後に満足のいく生活ができるのだろうか?と思い始めました。
20代の頃は「60歳まで引き出せない=不自由」と感じていましたが、今は少し見方が変わりました。
引き出せないからこそ、老後資金が確実に確保される。
NISAは自由に引き出せる分、「大きな出費があったら取り崩してしまうかもしれない」というリスクもあります。
iDeCoは強制的にロックされることで、老後資金を使い込むリスクをゼロにできる。
資産が増えて生活に余裕が出てきた今だからこそ、この制約を前向きに捉えられるようになりました。
また、パートナーや子どもにも恵まれ(第一子妊娠中)、もしも自分が死んでしまっても、iDeCoで築いた資産は死亡一時金として彼らにわたる。
そう考えると、保険のように使える制度で、悪くないと思えるようになりました。
資産が増えて、NISAだけではカバーしきれなくなってきた
資産が3000万円を超え、投資に集中している中で、税負担が気になり始めました。
非課税のNISAの枠を埋めることにも集中してきましたが、それ以外にも税負担を軽くして資産を効率的に増やす手段を考えるようになりました。
iDeCoの所得控除は運用益が出なくても確実に得られるメリットです。
NISA枠を埋めたあとの次の一手として、iDeCoは有力な選択肢だと思い始めています。
新社会人はiDeCoをやるべきか?
結論から言うと、新社会人がいきなりiDeCoを始める必要はないと思っています。
まずはNISAが先
新社会人にとって最優先は、生活の土台を整えることです。
生活防衛資金を確保し、NISAで少額から積立で資産形成を始める。
このロードマップの流れが先です。
NISAはいつでも引き出せるので、ライフイベントが多い20代にとって柔軟性が高い。
年間360万円の枠を使い切れる人は少ないので、まずはNISAを優先するのが合理的です。
でも「知っておく」ことに価値がある
iDeCoを今すぐ始めなくても、制度の仕組みを知っておくだけで、将来の選択肢が広がります。
特に確認しておきたいのは以下の2点です。
① 自分の会社に企業型DCがあるかどうか
企業型DCがある場合、iDeCoとの併用ルールや掛金上限が変わります。
入社時の福利厚生説明会で確認しておきましょう。
② iDeCoの掛金上限は職業で変わる
| 職業 | 月額上限 | 年額上限 |
|---|---|---|
| 自営業・フリーランス | 68,000円 | 816,000円 |
| 会社員(企業年金なし) | 23,000円 | 276,000円 |
| 会社員(企業型DCあり) | 20,000円 | 240,000円 |
| 会社員(確定給付年金あり) | 12,000円 | 144,000円 |
| 公務員 | 12,000円 | 144,000円 |
自営業者は掛金上限が大きく、所得控除の恩恵も大きいため、iDeCoの優先度が高くなります。
一方で会社員は上限が低いため、NISAを先に埋める方が効率的なケースが多いです。
まとめ
iDeCoは老後のための資産作りで若いうちは判断し難い制度ですが、「知っておくべき」制度です。
| 観点 | 考え方 |
|---|---|
| 新社会人 | まずはNISAが先。iDeCoは制度を知っておくだけでOK |
| NISA枠を埋めきった人 | iDeCoの所得控除メリットを活かす段階 |
| 自営業・フリーランス | 掛金上限が大きく、節税効果が高い。NISAと並行もあり |
| 老後資金を確実に確保したい | 引き出せない制約が逆に強み |
私自身、iDeCoはまだ始めていませんが、
資産が多くなっていくにつれて真剣に向き合っていかなければいけない制度だと思いました。
実際にiDeCoを始めたら、その過程や判断もあらためて記事にするつもりです。
※ 投資は元本保証ではありません。最終判断はご自身の責任でお願いします。